
Microsoft広告のオーディエンスキャンペーンは、検索広告とは異なるアプローチでユーザーにリーチできる強力な手段です。特に日本市場においては、B2B・B2C問わず、ターゲティング精度と配信面の柔軟性が評価されています。
この記事では、オーディエンスキャンペーンで使用可能な3つの入札戦略について、それぞれの特徴と適した活用シーンを解説します。UETタグの有無や広告フォーマット(動画含む)に応じて、最適な戦略を選択するための判断材料としてご活用ください。
オーディエンスキャンペーンとは?
オーディエンスキャンペーンは、Microsoft広告が提供するディスプレイ型広告の一種で、広告タイプは、ネイティブ広告、ディスプレイ広告及び動画広告から選択することができ、検索行動や閲覧履歴に基づいたターゲティングが可能です。
主な配信面はMicrosoft Edge、Outlook、MSNなどのMicrosoft独自ネットワークに加え、サードパーティの提携サイトも含まれます。
検索広告と異なり、ユーザーの「潜在ニーズ」にアプローチできるため、認知拡大やリターゲティングに適しています。
使用できる入札戦略は3種類
Microsoft広告のオーディエンスキャンペーンでは、以下の3つの入札戦略が選択可能です。
| 入札戦略 | 特徴 | 推奨ケース |
|---|---|---|
| 拡張クリック単価(eCPC) | 手動入札をベースに、コンバージョン率に応じて調整 | UETタグなしでも配信可能 |
| コンバージョン数の最大化 | 自動入札により、コンバージョン獲得を最優先 | CV重視のランディングページ誘導 |
| 目標CPM | 1,000回表示あたりのコストを基準に最適化 | 動画広告や認知目的のキャンペーン |
それぞれの戦略は、キャンペーンの目的やコンバージョン追跡環境に応じて選択する必要があります。
ロリポップ公式サイト拡張クリック単価(eCPC)|UETタグなしでも使える柔軟な選択肢
「拡張クリック単価」は、手動で設定したクリック単価(CPC)をベースに、Microsoft広告がコンバージョン確率に応じて入札額を自動調整する仕組みです。
特筆すべきは、UETタグ(Universal Event Tracking)を設置していない場合でも使用可能な点。つまり、コンバージョン計測が難しいLPや、初期段階のテスト配信にも適しています。
ただし、調整幅は限定的であり、完全な自動最適化ではないため、入札額の管理は広告主側の責任となります。
拡張クリック単価は、Microsoft広告では唯一の手動入札戦略であり、広告主自ら入札単価を管理しなければなりません。一方で、非常に安定したパフォーマンスを提供してくれることから迷ったらこの戦略でよいのではと思います。
コンバージョン数の最大化|成果重視ならこの選択
「コンバージョン数の最大化」は、Microsoft広告が自動的に入札額を調整し、最も多くのコンバージョンを獲得できるよう最適化する戦略です。
この戦略を使用するには、UETタグの設置と、一定量のコンバージョンデータが必要です。過去の成果をもとに学習が進むため、継続的な運用で効果が高まります。
特に、フォーム送信や購入など明確なCVポイントがあるキャンペーンに最適です。
システムによる最適化のため、CV数が月間で30件以上必要とされています。CV獲得ではなく認知拡大を主目的とするオーディエンスキャンペーンでは、最適化の条件達成が厳しい可能性があります。
目標CPM|動画広告に特化した戦略
動画広告を配信する場合は、「目標CPM(Cost Per Mille)」が推奨されます。これは、1,000回の広告表示あたりのコストを基準に最適化する入札方式です。
動画広告はクリックよりも視聴完了やブランド認知が重視されるため、CPMベースの入札が理にかなっています。特に、Netflix広告枠などプレミアムな配信面では、視認性の高いインプレッションが価値を持ちます。
Microsoft広告では日本市場でのNetflix広告が開始されたことから、入札戦略「目標CPM」を使用する機会が増えるかもしれません。他の戦略と異なり、クリック数やCV数ではなく、視聴時間に基づくインプレッション数が指標となります。
まとめ|目的に応じた入札戦略の選択が鍵
オーディエンスキャンペーンでは、配信目的・UETタグの有無・広告フォーマットに応じて、最適な入札戦略を選ぶことが成果に直結します。
- UETタグなし → 拡張クリック単価
- CV最大化 → コンバージョン数の最大化
- 動画広告 → 目標CPM
それぞれの戦略の特性を理解し、キャンペーン設計に活かすことで、Microsoft広告のポテンシャルを最大限に引き出すことができます。
