Microsoft広告で成果を出すためには、「誰に広告を届けるか」が極めて重要です。特に「購買意向の強いユーザー」を狙ったターゲティングは、クリック率（CTR）やコンバージョン率（CVR）を高め、配信パフォーマンスを最適化する鍵となります。
本記事では、購買意向の強いユーザーの定義から、入札戦略、ターゲティングカテゴリ、具体的な活用シナリオまでを体系的に解説します。
購買意向の強いユーザーとは？
購買意向の強いユーザーとは、すでに商品やサービスに対して一定の関心を持ち、比較検討や購入直前の段階にいるユーザー層を指します。
このようなユーザーは以下のような特徴を持っています：
- 検索行動が具体的（例：「〇〇 比較」「〇〇 購入」など）
- 閲覧履歴に関連商品やレビューサイトが含まれる
- 過去に類似商品を購入した履歴がある
- Microsoftのパートナーデータに基づく購買意向スコアが高い
Microsoft広告では、こうした購買意向の強いユーザーを業種カテゴリごとに分類し、カテゴリごとのターゲティングが可能です。
入札単価のみとターゲティングと入札単価の組み合わせ
購買意向の強いユーザーでは、任意のターゲティングカテゴリごとに、「入札単価のみ」または「ターゲットと入札単価」により、ターゲティング設定を選択することができます。
| 戦略 | 説明 |
|---|---|
| 入札単価のみ | 配信先を絞ることなく、広範なユーザーに対して配信し、単価設定したカテゴリのみ入札単価に応じて配信ボリュームを調整 |
| ターゲティングと入札単価 | 選択カテゴリでターゲティングを絞り込み、さらに入札単価により配信ボリュームを調整 |
特に、購買意向カテゴリで絞った上で、入札単価を通常より高めに設定することで、競合よりも優先的に表示されやすくなります。
購買意向の強いユーザーは、広告に関連性の高いカテゴリであったとしても、良いパフォーマンスが出るとは限りません。設定当初は「入札単価のみ」で単価調整を行い、配信パフォーマンスを確認してから「ターゲティングと入札単価」を運用するとよいでしょう。
なお、購買意向の強いユーザーの入札単価調整では、単価引き上げだけではなく、単価引き下げやカテゴリの除外設定を行うことができます。配信パフォーマンスを見て、単価引き下げと除外を行うことで、配信パフォーマンスのよい残りのカテゴリに集中させることができます。
ターゲティングカテゴリ一覧（大項目）
Microsoft広告では、購買意向の強いユーザーカテゴリが総数1272件用意されており、以下のような大項目に分類されています。
- 自動車
- 金融サービス
- 教育
- 健康・美容
- ホーム＆ガーデン
- 不動産
- 小売・消費財
- 旅行・観光
- テクノロジー・ガジェット
- ビジネスサービス
各カテゴリにはさらに細かいサブカテゴリがあり、例えば「自動車」カテゴリには「SUV購入検討者」「中古車購入検討者」などが含まれます。
詳細は Microsoft公式ヘルプページを参照してください。
想定シナリオ：購買意向ユーザーを活用した広告配信例
以下は、購買意向の強いユーザーを活用した広告配信の具体例です。
シナリオ①：エンジニアを対象とした求人サイト
- ターゲティング：求人、ビジネス＆生産性ソフトウェアから関連カテゴリを選択
- 入札単価：通常より15%高めの入札単価
- クリエイティブ：レビュー評価の高い商品を強調
- 結果：CTR 1.8倍、CVR 2.3倍に改善
シナリオ②：オフィス用Wifiルーターのレンタルサイト
- ターゲティング：ビジネス、通信から関連カテゴリを選択
- 入札単価：通常より15%高めの入札単価
- クリエイティブ：資料請求の訴求
- 結果：CPA 35%削減、申込数1.5倍
まとめ
購買意向の強いユーザーは、Microsoft広告において最も成果に直結しやすいターゲット層です。単なる入札単価の調整ではなく、ターゲティングと組み合わせた戦略が重要です。
重要事項まとめ
- 購買意向の強いユーザーはMicrosoftが保有する過去の検索履歴等に基づくユーザー情報
- 「入札単価のみ」と「ターゲットと入札単価」によるターゲティング設定が可能
- ターゲティングカテゴリにより細かく分類することが可能
- 想定シナリオを活用して、自社商材に合った戦略を立てることが重要
