はじめに
Microsoft広告を始めたばかりの方にとって、「キャンペーン」「広告グループ」「広告」「キーワード」の関係は少し複雑に感じるかもしれません。この記事では、図解を用いてその構造をわかりやすく解説し、最適な設計方法を紹介します。
キャンペーン構造の基本
Microsoft広告は、以下のような階層構造で成り立っています:
キャンペーン
└── 広告グループ
├── 広告(複数)
└── キーワード(複数)
各階層の役割
| 階層 | 役割と設定内容 |
|---|---|
| キャンペーン | 予算、ターゲティング(地域・デバイス)、入札戦略などを設定 |
| 広告グループ | 広告とキーワードをまとめる単位。テーマ別に分けるのが理想 |
| 広告 | 実際に表示されるテキスト広告や画像広告。複数作成が推奨 |
| キーワード | ユーザーが検索する語句。広告表示のトリガーとなる要素 |
図解で理解する:キャンペーン構造のイメージ

図では、1つのキャンペーンに2つの広告グループがあり、それぞれに異なる広告とキーワードが設定されています。これにより、ターゲットごとに訴求内容を変えることが可能になります。
構造設計のポイント
広告グループはテーマ別に分ける
例:キャンペーン「求人募集」 →
広告グループ「正社員採用」
広告グループ「派遣社員採用」
広告グループ「アルバイト・パート採用」
それぞれの広告グループ内で、例えば「正社員採用」なら
広告 A:新卒向け募集訴求
広告 B:中途採用向け訴求
キーワード:完全一致「正社員 募集」/フレーズ一致「新卒 求人」…
というふうに広告文やキーワードを最適化していきます。
広告は最低3つ以上作成する
複数の広告を同一広告グループ内に設定することで、パフォーマンスの高い広告が自動的に優先表示されます。これは「広告ローテーションの最適化」機能によるもので、広告の成果を最大化するために非常に重要です。
作成時のおすすめ構成
- 広告タイトル(見出し):3〜5パターン
- 例:「未経験OKの正社員募集」「週3日から働ける!」「今すぐ応募可能」
- 説明文(ディスクリプション):2〜3パターン
- 例:「勤務地は都内中心」「履歴書不要で即面接」「福利厚生充実」
- CTA(行動喚起):明確に
- 例:「今すぐ応募」「詳細を見る」「無料相談はこちら」
キーワードはマッチタイプを意識して使い分ける
Microsoft広告では、キーワードの「マッチタイプ」によって広告が表示される検索語句の範囲が変わります。これを適切に使い分けることで、無駄なクリックを防ぎ、予算を効率的に活用できます。
マッチタイプの種類と特徴
| マッチタイプ | 特徴 | 使い方 |
|---|---|---|
| ✅ 完全一致([正社員 求人]) | 指定語句と完全に一致した検索にのみ表示 | 成果重視のコアキーワードに使用。CVRが高い |
| ✅ フレーズ一致(”正社員 求人”) | 指定語句を含む検索語句に表示 | 修飾語付き検索に対応。CTRとCVRのバランスが良い |
| ✅ 部分一致(正社員 求人) | 類義語や関連語にも表示される | 新規語句の発掘に有効。無駄クリックのリスクもあるため注意が必要 |
構造設計でCVRを高めるには?
① 広告グループごとにLP(ランディングページ)を最適化する
目的別に広告グループを分け、それぞれに対応したLPを用意することで、ユーザーの期待と着地先の一致度が高まりCVRが向上します。
実践例(求人キャンペーンの場合):
| 広告グループ | 訴求テーマ | LPの内容例 |
|---|---|---|
| 正社員採用 | 安定性・福利厚生 | 社員インタビュー、昇給制度、社内制度紹介 |
| 派遣社員採用 | 柔軟な働き方 | 勤務時間の自由度、短期案件紹介、登録方法 |
| アルバイト採用 | 学生・主婦向け | シフト例、勤務地マップ、応募の流れ |
ポイント:
- LPのファーストビューに「広告文と同じキーワード」を含める
- CTAボタンはスクロールせずに見える位置に配置
- ページ速度やスマホ表示も最適化(特に求人系はモバイル流入が多い)
② キーワードと広告文の関連性を高める
ユーザーが検索した語句と広告文の内容が一致しているほど、クリック率とCVRが高まります。
実践ポイント:
- キーワードを広告文の「タイトル」と「説明文」に自然に含める
- 例:「未経験 正社員 求人」→ 広告タイトル:「未経験歓迎!正社員求人多数」
- 広告グループ内のキーワードはテーマを統一
- NG例:広告グループ「営業職」に「事務職 求人」など異なる職種を混在させる
- 検索語句レポートを活用し、実際に表示された語句と広告文の一致度を確認・改善
③ 広告文にCTA(行動喚起)を明確に入れる
ユーザーが次に何をすればいいかを明示することで、迷わせずにコンバージョンへ導けます。
CTAの具体例(求人系):
| タイプ | CTA文言例 |
|---|---|
| 応募促進型 | 「今すぐ応募」「履歴書不要で簡単エントリー」 |
| 情報取得型 | 「詳細を見る」「募集要項はこちら」 |
| 相談型 | 「まずは話を聞くだけでもOK」「LINEで気軽に相談」 |
配置の工夫:
- 広告文の最後に必ずCTAを入れる
- LP上でもCTAボタンは複数箇所に配置(ファーストビュー+中段+下部)
まとめ
Microsoft広告のキャンペーン構造を理解することは、成果を最大化する第一歩です。構造が整理されていれば、CTRやCVRの改善にも直結します。次回は「広告文の作り方とABテストの進め方」について解説予定です。
- キャンペーンごとに予算やターゲティングを分けられるから、無駄なく配信できる
- 広告グループをテーマ別に分ければ、ユーザーの検索意図にピタッと合う広告が作れる
- キーワードと広告文の関連性を高めて、クリック率もコンバージョン率もアップ
- LP(ランディングページ)を広告グループごとに最適化すれば、成果に直結する
